第13回

【働き方改革について】
2017年よりサイエンスネットでは「プレミアムフライデー」が導入されました。
サイエンスネットならではの「プレミアムフライデー」とは!?

実際に導入している企業が少ない中で、プレミアムフライデーを導入したのはなぜですか。

何のために仕事をしているのかを考えたときに、基本的に私は、いつも言うように、それは皆さんの幸せのためであって、そのためには時間軸を皆さんがどう有効的に活用しているのか、それを持ってどう生活をしていくかが重要だと思っています。仕事があるから幸せになるとは思っていないのです。そんな中で、プレミアムフライデーという国の政策としての発表があったんですよね。私はいつも「早く帰ろうよ」「あまり働かなくていいじゃない」ということを言っていますよね。国が政策を出したのをきっかけに、それにのっかりたいなと思って、さっそく導入したのが主な要素です。
さらに、うちの会社は、車で通勤の人が多いですよね。都会だとみんなで仕事帰りにちょっと飲みに行くとかできるけど、それができない。それだったら月に一回くらい早く仕事を終わらせて、みんなでいろんなことをやって、食事をして早く帰る。夕方までいるんじゃなくて…そういうことをやりたい。この2つのファクターでやっています。

あえて社員全員参加型のイベントを行うことにした理由をお聞かせください。

あえて全員で一緒にというのは、週末の金曜はみんな忙しいと思うので固定はできない。それで私はフライデーではなく自由に動かしていいと思ったんです。みんなで計画する。これが重要。来月はこの日にやろうねという計画をたてる。それは仕事も一緒で、すべて計画を立てて実行をする。その練習になると思っています。だから、計画を立てて日にちを決めたらその日にベクトルを合わせて仕事を実行していく。これがすごく重要なファクターだと思います。
次に、なぜイベント型にしたかというと、例えば、ご飯を食べに外に出る場合は、全部ご飯はできているんだよね。お酒も運ばれてきてしまう。じゃあ自分たちがやることは何かというと、話をすることだけ。それよりも、何かしらみんなが介入することが大事。この前はみんなでカレーを作ったけれども、「このカレー甘いよね」「うまいよね」とか、そういういろんなことをみんなで話し合えるじゃないですか。あと、私も作ったけれど、「僕、作りたい」と率先していう人が出たりとか、そういうところに価値があって、それがおもてなしの心だと思っています。

イベント型にすることで、材料や道具の準備の連絡や依頼など、以前に比べて、社員同士の会話も自然に増えたなと実感しています。

一番問題視したのは、お金を管理している総務部で、お金がなくなると言われました。それはすごく良い形の意見だと思いました。その視点はとても大事だけれど、このお金は出してもよいお金だと私は考えていました。けれど、プレミアムフライデーをやろうとすると費用が余分にかかるということも事実です。そこで考えたのは、社長の接待交際費ゼロです。プレミアムフライデー導入の代わりに社長の接待交際費はなくなりました。そこをゼロにしながら、今のプレミアムフライデーをやっています。この前のカレーの時のゲームの景品のステーキ肉は私の自腹だからね!

実際にプレミアムフライデー企画を3回(バーベキュー、お好み焼き、カレー)実施してみて、いかがでしたか。

最初のバーベキューの時はみんな恐る恐る参加だったけれど、最近見てるとだんだん形が変わってきて、何やってるのかな?ってちょこちょこ様子を見に来る人がでてきました。作るときに手伝ったりすることも増えて、関わる人が増えてきているなっていうことを少し思っています。1週間くらい前から「具材を調達する人」「鍋を持ってくる人」、とかっていろいろとみんなで考えるじゃないですか。ああいうことがだんだんと広がってきて、「ん?(参加しないかな?)」と思っていた人が手をあげてくれる。「じゃあ私、今度〇〇を持ってくるね」と声をかけてくれたりしているね。最初からみんなが積極的に参加するのは無理だと思っていたけれど、だんだんと一体化してきているなということは感じています。やっている価値はあるなと思っています。

今後、働き方改革を進める中で、社員一人ひとりやサイエンスネット全体にどのような変化を期待していますか。

重要なことは、共有・共助・共栄だと思っています。常に皆さんには一人一人のコンピテンシーがあると私は思っています。それほど個人の能力が高いと思っています。ですが、一人一人が仕事をして完結すればよいというわけではないとも思っています。一人一人だけで完結するのであれば、私の存在なんていらない。私の仕事の一つとして、サイエンスネットという会社を一つにまとめることだと思います。たくさんある仕事のうちの一つですよね。

実は、今プレミアムフライデーを含め、いろんな形で一つになってきているよね。これが大事で、誰かが悩んでいるときに、その悩みを共有できる。そしてそれを助け合える。この会社には事業部がHP、NW、DBと3つありますが、この垣根を絶対なくしていこうと考えています。たとえば、NWの人が悩んでいたらHPの人が助ける。こういうことはできるはずだと思います。「あれ、おかしいな」と思った時に「大丈夫?」と声を掛け合えることが、私は重要なことだと思っています。会社の中が静かだと私は不安でたまらない。みんながしゃべりだし、うるさいくらい、「あーだ、こーだ、大丈夫」とか言っていると私はすごく安心するんです。それくらい私はみんなの力を一つに結集していくことが重要だと思っていて、それができれば、「体がちょっとえらいな」「休みたいな」と思うときに、例えば、自宅で仕事をしたいと思った時、自宅で仕事ができればそれはそれでよいと私は思っています。それを聞いて、みんなが自然と自宅で仕事をしている人を応援するような、もしくはサポートするような形が出てくると私は嬉しい。大体、自宅で仕事と聞くと、「勝手に自宅で仕事している」「あの人さぼってるんじゃないの」と、干渉とか監視になってきてしまう。何時から何時まで連絡をすることとか、何時から何時までテレビ会議を開いて状況確認とか、そういうナンセンスなことはやらない。働き方改革は監視型とか、大元の価値観というものをまず変えて、自宅にいても安心して仕事を任せられる、大丈夫。そういう働き方でやっていきたいなと思っています。 もう一つ、やろうと思っていることですけど、会社の設立20年に、給料の考え方も改善していきたいと考えています。単に人を評価して給料を上げ下げしていくのではなく、人の評価以外でも給料を上げていこうという改革です。給料を上げるためにどうしたらいいのかを考える、かつ仕事量を減らす。仕事量が減って給料が上がるということができるんじゃないかなと思っています。仕事量が減るとは労働時間を減らしていくということ。そして給料を上げていく。そういう改革が出来ると考えています。それを取組んでいこうと思っていて、今行っていることは、それをどう実現化できるかということを、ここ1年-2年かけて考えています。

社員にとってはすごく幸せなことだと思います。在宅勤務というのは子どもがいる社員にとっては、自身が元気でも子どもが休んでしまうとなると、仕事に穴が開いてしまったり、一週間入院して来れないとなると、会社にとってもデメリットですし、ご本人にとっても仕事が残っていて気がかりになるもので、それはすごく良いなと思います。

そのときに、みんなの共有というのがあれば、そこでサポートするよね。我が社のAさんが長期休暇を取るときに、みんなダメって言わないよね。必ず計画をたてて実行する。やっぱり計画だよね。それをみんながサポートする。それを、「あの人だけ」「この人だけ」ってあまり言わない。それをみんなが応援する形になればいいと思っている。まぁ、事実そういう形の会社になりつつあるよね、うちの会社は。朝から台風が来るとか何かあるときは、私が率先して「子どもが心配の人は帰るように」「電話や連絡があったり、警報出たらすぐ帰るように」とか、学校とか保育園からとかの連絡は業務中でも自由にとれる会社になっている。必要な時、堂々と早退して帰れる雰囲気づくりが私は重要だと考えていて、これも5年くらいかかって浸透したかな。

変えるというのはすぐにはできないので、きっかけを作りつつそれをいかに続けていくかが大事になってきますね。

きっかけを作ってやっていくんだけど、会社は来年6月で創業20年になります。最初は苦労するんです。会社を変化させることに、ものすごく時間がかかるんですね。5年とか、10年とか。でもプレミアムフライデーは早く浸透していったと思いますね。みんなの改革に対するスピード感っていうのが増してきているんですよ、きっと。これがもっと早くなると、もうすぐですよね。あ、これ明日から改革しようってなると、みんながわっとベクトルをそっちに向けて改革ができるんだよね。ま、そういう改革意識を持つ会社になりつつあると思いますね。

普段より社長は事あるごとに改革していこうという、「言葉の力」があると思っていますが、私はそれを聞いてすぐに改革しようとはならないんです。けれど、聞いていくうちに社員みんなも心のどこかに「改革しなきゃ」とか「変わろう」という意識が芽生えているなとはすごく思います。だからプレミアムフライデーも浸透するのが早かったのは、普段から社長がおっしゃっていることが、社員の一人一人に響いているんだなというのはすごく実感しています。

実は最も重要なのは、この会社を変えようと思ったら社長が変わらないといけないということです。私が変わらなきゃ絶対変わらない。私はそう思っていて、人を変えようなんてことは無理。自分が変わればいいんです。自分が変われば、それを見ている人が「私も変わらなくちゃ」と思ってくれると思っているので。なので、自分がまず変わるようにと思っています。ですから、私は誰に何を言われようと聞く耳を持つことにしています。まぁ、すべてが聞けるわけではないけれど。やっぱり意見を戦わすことはします。けれど、戦わすことによって私はマイナス要素を相手にぶつけようとは思わない。意見交換をして、そこで「あっ」て気づくことが私にもあって、そういうときは、自分を変えなきゃなって思います。で、変えてますね。


会社が変わりつつあるなというのが、すごく最近目に見えてきているので、これからもどんどん改革を進めていくといいと思っています。

サイエンスネットの創業があって設立があって、東京オリンピックの2020年かな、その頃に、会社はガサっと変わりますから。その頃に、給与改革から、本当の働き方改革が実現できるかなと思っていますね。これ掲載してもらっていいですから。文章で残るとやらなきゃいけないでしょ。うそつきって言われたら私はプライドが許さないから。言ったからには(実行あるのみ)。だから今までずっと残ってるじゃないですか。残すことはすごく重要だから。

給与改革についても記事にさせていただきます。インタビューはこれで終わりです。ありがとうございました。